一般社団・一般財団の設立
一般社団・一般財団とは?
人の集まりと財産の集まり
一般社団法人とは、一定の目的のもとに結合した人の集合体に法人格を認めたもの、一般財団法人とは、一定の目的のもとに拠出され、結合されている財産の集まりに法人格を認めたものです。
収益事業も実施できます
従来の公益法人は、旧民法の規定に基づき、公益に関する団体であり、営利を目的としないことが設立の要件とされていました。しかし、公益法人3法の施行により、新たに設立する一般社団・財団法人は、事業内容の公益性は不要とされました。
したがって、収益事業のみを行う法人を設立することも可能です。
ただし、営利を目的としないことは引き続き必要とされるため、設立者や構成員に、剰余金や残余財産の分配をすることはできません。
この点が、株主への利益分配を目的とする株式会社などの営利法人と決定的に違うところです。
一般社団と一般財団の違い
一般社団法人と一般財団法人は、設立時に必要となる人員数、財産額などに違いがあります。
一般社団法人 | 一般財団法人 | |
---|---|---|
法人格の対象 | 人の集まり | 財産の集まり |
設立時財産 | 不要 | 300万円以上の金銭または財産 |
役員等の必要最低人数 | ・社員2名(法人も可。) ・理事1名 (社員と理事の兼任可) |
・評議員3名 ・理事3名 ・監事1名 (それぞれ兼任不可) |
必須の意思決定機関 | ・社員総会 | ・評議員会 ・理事会 |
最低純資産額 | なし | 300万円 (2期連続して下回ると解散) |
一般社団・一般財団の設立のポイント
登記のみで設立できます
従来の公益法人は、設立の際に主務官庁の許可を得る必要がありました。新制度上の一般社団・財団法人は、登記申請のみで設立することが可能になり、手続が大幅に簡略化されました。
設立の流れ
設立登記までの大まかな流れは、以下のようになります。
設立事項の決定
⇓
必要書類の作成
⇓
定款の認証
⇓
設立時財産の拠出※
⇓
登記の申請
※一般財団法人のみ
決定すべき事項
設立時に検討・決定すべき事項には、主に以下に挙げるようなものがあります。
法人名 | ・同一の所在地に同一の名称の法人が既に存在する場合は、登記できません。 ・不正競争防止法の観点から、社会的に広く認知されている他団体との混同を生じさせるような名称は避けるべきです。 |
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事業目的・内容 | ・事業内容の適法性、記載の明確性が求められます。 ・許認可を必要とする事業の場合は、記載方法に注意が必要です。 |
機関・役員構成 | ・一般社団法人の場合は、理事会の有無を決定します。(理事会を設置する場合は、理事3名以上が必要です。) ・税法上の「非営利型」法人とする場合は、配偶者または3親等以内の親族同士である者が、理事総数の1/3以内とする必要があります。 |
会員の種類 | ・会員制度を取る場合は、その種類とそれぞれの権利・義務を明確にします。特に、一般社団法人の場合は、どの会員種別が社員総会での議決権を持つかを決定する必要があります。 |
設立時財産 | ・一般財団法人の場合は、誰が、何の財産を拠出するのかを決定します。 |
法人税法上の類型 | ・いわゆる「非営利型」法人か、「普通型」法人かを決定します。非営利型は、税法上の収益事業のみに法人税が課税され、普通型は、法人の全所得に対して法人税が課税されます。 |