外国企業の日本進出
外国企業の日本進出
日本への進出をお考えの外国企業さまは数多くいらっしゃいますが、日本の法制度・各種手続に不慣れな方がご自身で手続を行うとなると、多大な労力と時間を必要とし、また、結果として法的な正確性を欠いた状態のままビジネスをスタートしてしまうことにもなりかねません。
星野合同事務所では、経験豊富な企業法務専門チームが外国企業の皆さまの日本進出を全力でサポートいたします。ネイティブスタッフも在籍していますので、提供いただく海外本社の資料は和訳が不要です。宣誓供述書やサイン証明書の英文作成、必要書類の日本語・英語併記での作成、海外本社の方と直接英語でのやり取りも対応いたします。さらに、役員様・従業員の方の在留許可申請手続の代行や会社の銀行口座開設支援、株式の取得等に関する日本銀行への事前届出・事後報告といった、登記手続以外の周辺領域のサポートも承っております。その他、税務および労務手続のアドバイスを提供できるバイリンガルの日本の税理士等を紹介できますので、日本で事業を始めるにあたっての必要な手続等に関して総合的にご相談いただけます。
日本への進出形態
外国企業の皆さまが日本へ進出する形態としては、主として次の3つに分類されます。
- 駐在員事務所の設置
- 支店の設置
- 子会社(日本法人)の設立
以下、これらの手続について簡単にご説明します。
進出形態の比較表(進出形態の比較表.pdf:74KB)
1. 駐在員事務所の設置
駐在員事務所とは
駐在員事務所は、外国企業が日本において事業活動を行うための準備的なものとして設置されます。市場調査、情報収集、物品の購入、広告宣伝等を行うことは可能ですが、直接的な事業活動を行うことはできません。日本において直接的な事業活動を行おうとする場合には、支店の設置や子会社(日本法人)の設立をし、その登記を行う必要があります。
また、駐在員事務所の名義で銀行口座を開設したり不動産の賃借をすることもできず、外国企業の本社または駐在員事務所の代表者個人が当事者となって契約を締結することになります。駐在員事務所の代表者が代理人として口座を開設するときは、事務所名と個人名を併記した名義となります。
なお、駐在員事務所は登記をする必要がありません。
駐在員事務所設置の手続
駐在員事務所は、会社法上の概念ではなく、登記も必要ありませんので、原則として自由に設置できます。
ただし、外国会社の業種によっては、駐在員事務所の設置について、届出を要求される場合があるので、注意が必要です。たとえば、銀行法では、外国銀行が日本国内に駐在員事務所を設置しようとする場合に、事前に内閣総理大臣への届出を要求しています(銀行法第52条)。
2. 支店の設置
支店の設置とは
支店の設置とは、外国企業の営業所を日本に設置することをいいます。
支店には、法律上独立した法人格は認められず、外国企業の法人格に内包される外国会社の一部分として取扱われます。したがって、支店の活動によって生じた債権債務は、最終的には外国企業に直接帰属することとなります。この点が、子会社(日本法人)の設立と異なります。
外国企業が日本において直接的な事業活動をしようとする場合、支店の設置や子会社の設立をしなければなりませんが、支店は、子会社の設立に比べて手続が簡易であり、支店としての活動拠点を確保し、支店の代表者(「日本における代表者」といいます。)を定めた上で必要事項を登記すれば、日本において事業活動を開始することが可能です。
なお、支店の名義で銀行口座の開設をすること、不動産の賃借をすることは可能です。
支店設置手続の流れ
支店の設置の手続の一般的流れは、下表のとおりです。支店で行う事業に事前届出業種が含まれている場合、対内直接投資に係る日本銀行への事前届出が必要となります。
支店設置手続の必要書類
支店設置の手続において必要となる書類としては、一般的に次のものが挙げられます。書類の性質上、お客様ご自身でご用意いただかなければならないものの他は、全て当事務所で作成を承ります。
- 外国企業の業務執行機関による支店設置の決定書(議事録等)
- 外国企業の定款、設立証明書、登記証明書等
- 外国企業および日本の支店の概要に関する宣誓供述書
- 登記委任状
※必要書類は外国企業の本国の法制度により異なりますので、詳細につきましてはご相談ください。
支店設置手続完了までの所要時間
支店設置の手続の完了には、順調に進行した場合で約1ヶ月程度の期間が必要となります。
3. 子会社(日本法人)の設立
子会社(日本法人)の設立とは
子会社(日本法人)の設立とは、外国企業が出資者となり、日本に独立の法人を設立することをいいます。
支店とは異なり、子会社は外国企業と別個の法人となりますので、子会社の活動によって生じた債権債務は、そのまま子会社に帰属することとなり、外国企業は法律に定められた出資者としての責任を負うことになります。
外国企業が日本において子会社を設立しようとする場合、日本の会社法に定める会社類型から設立すべき法人形態を選択することになります。会社法上は、株式会社、合同会社、合資会社および合名会社という4つの会社類型が存在しますが、合資会社と合名会社は出資者が子会社の債務について無限に責任を負うことになうため、選択されることはまずありません。実際には株式会社や合同会社を選択することがほとんどです。法律上定められた手続を行った上で登記をすることにより、各会社を設立をすることができます。
子会社は法人ですので、当然のことながら法律上法人格が認められ、子会社の名義で銀行口座の開設をすること、不動産の賃借をすることが可能です。なお、設立する子会社の代表者のうち少なくとも1名は、日本に住所を有しなければならないという要件は撤廃されましたが、資本金の受領や会社の銀行口座開設のために、最初に日本の居住者が必要になるでしょう。
子会社(日本法人)の設立の手続
設立する子会社の会社形態としては、主として株式会社と合同会社がありますが、どちらを選択するかによって手続が異なります。
株式会社設立
株式会社設立の手続の一般的流れは、下表のとおりです。株式会社の設立の手続には定款の認証等、合同会社の設立にはない手続が必要となります。定款の認証手続では、設立する株式会社の実質的支配者となる者の申告が必要となります。資本金の払込みの証明書として、発起人または設立時取締役等の名義の日本の銀行口座の写しが必要です。また、対内直接投資に係る日本銀行への事前届出・事後報告が必要となる場合があります。
株式会社設立手続の必要書類
株式会社設立の手続において必要となる書類としては、一般的に次のものが挙げられます。書類の性質上、お客様ご自身でご用意いただかなければならないものの他は、全て当事務所で作成を承ります。
- a) 外国企業の業務執行機関による株式会社設立の決定書(議事録等)
- b) 外国企業の定款、設立証明書、登記証明書等
- c) 外国企業の概要に関する宣誓供述書
- d) 外国企業の代表者の署名証明書
- e) 株式会社(日本法人)の定款
- f) 資本金の払込みの証明書
- g) 株式会社(日本法人)の役員選任決定書
- h) 株式会社(日本法人)の代表取締役の印鑑証明書・署名証明書
- i) 株式会社(日本法人)の取締役の印鑑証明書・署名証明書
- j) 会社設立手続の調査報告書等
※必要書類は外国企業の本国の法制度や設立する株式会社の設計により異なりますので、詳細につきましてはご相談ください。
株式会社設立手続完了までの所要時間
株式会社設立の手続の完了には、順調に進行した場合で約1ヶ月程度の期間が必要となります。 ※株式会社の設立をお考えのお客様は、下記のシートに必要事項を記入の上、ご相談ください。 ご不明な点につきましては、お気軽にご質問ください。
株式会社設立決定事項 記入シート(Kabushiki Kaisha (KK) .pdf:110KB)
合同会社の設立
合同会社設立手続の流れ
合同会社設立の手続の一般的流れは、下表のとおりです。合同会社の設立は株式会社の設立と比較して簡易な手続となっています。日本の公証人による定款の認証手続は不要です。また、資本金の払込みの証明書は、代表者の作成した出資金の領収書でよいとされています。なお、株式会社と同様に、対内直接投資に係る日本銀行への事前届出・事後報告が必要となる場合があります。
合同会社設立手続の必要書類
合同会社設立の手続において必要となる書類としては、一般的に次のものが挙げられます。書類の性質上、お客様ご自身でご用意いただかなければならないものの他は、全て当事務所で作成を承ります。
- a) 外国企業の業務執行機関による合同会社設立の決定書(議事録等)
- b) 外国企業の定款、設立証明書、登記証明書等
- c) 外国企業の概要に関する宣誓供述書
- d) 外国企業の代表者の署名証明書
- e) 職務執行者選任の決定書および就任承諾書(業務執行社員が法人の場合)
- f) 合同会社(日本法人)の定款
- g) 資本金の払込みの証明書
- h) 合同会社(日本法人)の代表社員・職務執行者の印鑑証明書
※ 必要書類は外国企業の本国の法制度や設立する合同会社の設計により異なりますので、詳細につきましてはご相談ください。
合同会社設立手続完了までの所要時間
合同会社設立の手続の完了には、順調に進行した場合で約1ヶ月程度の期間が必要となります。
合同会社設立決定事項 記入シート(Godo Kaisha (GK) .pdf:101KB)