星野合同事務所

平成26年度に休眠会社の整理手続が実施されます

2014.11.10更新

<休眠会社等の整理>  ~気付かぬうちに、会社が解散しているかもしれません~

今年度、全国の法務局で休眠会社等の整理作業が行われます。
長期間登記を行っていない会社・法人については、解散したものとみなされ、気付かぬうちに解散の登記がされてしまうかもしれません。

休眠会社等の整理とは

役員の任期の関係上、株式会社は少なくとも10年に一度、一般社団法人・一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を含みます。)は少なくとも2年に一度、変更登記を行う必要があります。

しかしながら、この変更登記を失念している等の理由により、長期間にわたって登記を行っていない会社・法人については、一定の手続を経た後に解散したとみなされてしまいます。これを休眠会社等の整理手続と言います。

対象の休眠会社・休眠一般法人とは

平成26年度の休眠会社等の整理手続は、平成26年11月17日の時点で休眠会社、休眠一般法人に該当する会社・法人が対象となっています。

「休眠会社」とは、最後の登記から12年を経過している株式会社と定義されています。したがって、平成14年11月17日以降、一度も登記がされていない株式会社が対象となります。
なお、特例有限会社は、役員の任期が法定されていないため、休眠会社等の整理手続の対象とはなりません。

「休眠一般法人」とは、最後の登記から5年を経過している一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人と定義されています。したがって、平成21年11月17日以降、一度も登記がされていない一般社団法人または一般財団法人が対象となります。

「事業を廃止していない」旨の届出を提出

対象となる休眠会社・休眠一般法人は、平成27年1月19日までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出又は役員変更等の登記をしない場合には、平成27年1月20日付で解散したものとみなされ、登記官の職権により解散の登記がされます。

事業を廃止していない旨の届出は、所定事項を記載し、登記所に郵送又は持参する必要があります。

なお、みなし解散の登記がなされる前には、官報公告及び対象会社・法人への通知が行われることとされていますが、この通知は、登記簿上の本店住所に宛てて発送されますので、本店移転の登記を行っていない場合、通知が届かず、対象となっていることに気付かない可能性も考えられます。

みなし解散の登記がされてしまったら・・・

もし、みなし解散の登記がされてしまった場合であっても、株主総会又は社員総会・評議員会の決議により「継続」の決議を行えば、解散前の状態に復帰することができます。ただし、継続の決議を行うことができるのは、みなし解散の登記後3年以内に限られますので注意が必要です。

なぜ、このような整理作業があるのか?

営業を廃止した株式会社の登記が放置されたまま残存することは、登記の信頼性を害し、登記事務の非能率を招く等の弊害があることから、昭和49年の商法改正により、休眠会社の整理に関する制度が創設されました。休眠会社の整理等は、毎年行われているわけではなく、一定の間隔ごとに全国一斉に実施されており、前回は平成14年に行われています。したがって、長期間登記をしていないにもかかわらず、みなし解散の登記がされていなかった会社・法人についても、上記対象に該当すれば今回の整理手続のタイミングでみなし解散の登記がされることとなります。

『最後に登記を行ったのがいつだかわからない』といった法人様は、この機会に一度登記簿謄本を確認してみてはいかがでしょうか。 登記簿の確認、ご相談等は、お気軽に下記までお問い合わせください。

司法書士法人星野合同事務所
03-3270-9962

【会社法】

(休眠会社のみなし解散)
第四百七十二条   休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
2   登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。

(株式会社の継続)
第四百七十三条   株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。

【法務省HP】

休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について