メルマガCLOSEUP Vol.073 定期借家制度の現状/不動産の所有者の住所・氏名の変更登記
2013.07.31更新
★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ CLOSE UP VOL.73 司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇2013/07/31◇━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 東日本大震災に関するお知らせ : 震災後の主要法令 特例措置のご案内東日本大震災 震災後の主要法令 特例措置―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎はじめての方へ このメールは当事務所お取引先、または当事務所所員が名刺交換させて頂いた方 メルマガ配信登録をしていただいた方に配信させていただいております。 登記、法務、許認可等に関し、有用と思われる情報を少しずつ提供いたしますの で、よろしくお願いします。 ※配信停止を希望される方は、(1) 件名に「配信停止」と入れ、このメールに返 信していただくか、(2) https://j.blayn.jp/sm/p/f/tf.php?id=hgo にアクセス し、メールアドレスを入力欄に入れて「解除」ボタンを押してください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ INDEX ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【1】定期借家制度の現状 【2】不動産の所有者の住所・氏名の変更登記 【3】あいうえお順で覚える!!法律用語 【4】ラジオ番組レポート! 【5】「相続・遺言」無料セミナー&個別相談会開催のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【1】定期借家制度の現状 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 賃貸マンションを探したことのある方なら、「定期借家」という言葉を耳にした ことがあるかもしれません。期間の制限のある建物賃貸だから借りるのは避けた 方がよい、という話はよく聞かれます。それでは、定期借家とは普通の賃貸と具 体的にどう違うのでしょうか。そもそもなぜそのような契約形態があるのでしょ うか。 ◆定期借家制度創設の経緯 定期借家制度は、平成11年12月の借地借家法の改正により導入されました(平成 12年3月施行)。平成4年から施行されている借地借家法における借家制度にお いては、賃貸人が借家契約の更新拒絶・解約申入れをするには、家屋の老朽化の ため大修繕の必要性があるなどの正当事由が必要とされ、正当事由がない場合に は、これを補完する意味での立退料の支払いが実務として定着しています。この ことが、適正賃料による収益予測を不可能にし、不動産市場の活性化を阻害して いるだけでなく、立退料が高額となりうる床面積の大きな物件の供給の停滞を通 じて日本の狭小・劣悪な借家環境の一因となっているとして、平成6年以降、政 府の各種審議会・委員会において、改善に向けた議論が展開されました。 こうした要望に応える形で創設されたのが、定期借家制度です。 ◆定期借家制度の内容 定期借家制度とは、契約で定めた期間が満了した場合に確定的に建物の賃貸借が 終了する制度です。普通借家の場合とは異なり、賃貸人側に正当事由がなくても 契約は終了し、賃貸人は期間満了の1年~6ヶ月前までの通知により、賃借人に 対して明渡しを請求することができます(契約期間1年未満であれば通知も不要 )。ただし、契約終了時に退去を余儀なくされることを認識しないまま、賃借人 が契約してしまうことを防ぐため、契約は公正証書などの書面によって行うこと を要し、賃貸人はさらに、更新がなく、期間の満了によって終了することを、契 約書とは別に書面を交付して説明をする必要があります。なお、契約を更新する ことはできませんが、賃貸人・賃借人双方の合意により、新たに賃貸借契約を締 結しなおすことは可能です。 ◆定期借家制度の普及状況 アットホーム株式会社が平成24年に実施した調査では、首都圏の居住用賃貸物件 に占める定期借家契約の割合は3.2%にとどまっており、施行後10年以上経過し た現在においても、その普及は十分とは言えない状況です。 国土交通省が行った別の調査によると、定期借家制度を利用しない理由として、 「契約締結の手続きが煩雑で使い勝手が悪い」、「普通借家契約に特段の不都合 はない」といった意見が、家主・賃貸事業者サイドから多く挙げられています。 賃貸人の利便を図るために創設された制度が、賃貸する側から不具合を指摘され ていること自体が、普及が進まない現状をよく物語っています。 ◆定期借家制度の課題 前述のような意見を受けて、業界団体などからは、「仲介業者が重要事項説明を 行っている場合は、家主による事前説明義務は廃止すべきである」、「期間満了 時の更新を可能とすべきである」といった要望がなされています。 さらには、近年、貧困層を対象とした狭小賃貸住宅において1年未満の定期借家 契約を悪用する事例も出てきており、導入後10年を経過して制度の見直しの必要 性が徐々に議論されてきています。 今後の動向が注目されます。 ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【2】不動産の所有者の住所・氏名の変更登記 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 例えば、ある人が売主として、その所有する土地や建物を売却する場合には、所 有権移転登記をすることになります。その際、登記記録(登記簿)に記載されて いる売主の住所・氏名に変更がありますと、登記の申請書に添付する印鑑証明書 の住所・氏名と登記記録の住所、氏名が合致していないため、登記の申請が却下 されることになります。 したがって、この場合、所有権移転登記の前提として、売主(=所有権の登記名 義人)の住所変更、氏名変更の登記を申請しなければなりません。 結婚して名字が変わった、あるいは、養子縁組で名字が変わったという場合は、 その旨の戸籍の証明書を添付して、変更登記を申請することになります。 引越して住所が変わったという場合は、引越後の住民票の写しを添付して申請す ることになります。この住民票の写しには前住所の記載があり、この前住所の記 載と登記記録の住所の記載が一致していることになります。 問題になるのは、登記記録に記載された住所から2回以上引越している場合です 。登記記録上の住所がA市で、A市→B市→C市と2回引越している場合、現在の住 所であるC市の住民票の写しには、C市の前の住所がB市であったという記載しか ありません。この場合は、B市で、除かれた住民票(=除住民票)の写しを請求 する必要があります。 ただし、住民票の記録は、保存期間が5年間しかありません。したがって、例え ば、B市からC市に引越したのが10年前だとすると、B市で、除かれた住民票を請 求することはできなくなります。 この場合、戸籍の附票という書類を添付する方法があります。戸籍の附票は、本 籍地においてすべての住所の変更を記録するものであるため、A市→B市→C市と いう引越に関する記録がすべて記載されていることになります。 ただし、この戸籍の附票も本籍地を変更して5年を過ぎると保存期間経過のため 請求できなくなります。また戸籍の附票の改製という新しい形式に作り直す作業 が行われる場合があり、この場合も改製から5年を過ぎると請求できなくなりま す。 結局、登記記録に記載された住所に住んでいた旨の証明を、請求することができ ない場合があります。つまり前例でいうと、A市に住所があったという証明がと れないという場合です。この場合は、A市で、不在住証明書、不在籍証明書とい う証明書を請求することになります。 つまり、現在その名前でA市のその住所に住民票も戸籍も記録がない、というこ とを証明し、B市→C市に移転した旨の住民票の写しを添付して、A市→B市→C市 と引越していることを証明することになります。 当事務所では、住所・氏名の変更登記のご相談を承っておりますので、お気軽に お問合せ下さい。 ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【3】あいうえお順で覚える!!法律用語 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あ」で始まる法律用語 【明け渡しの正当事由(あけわたしのせいとうじゆう)】 正当事由制度は、賃貸人が自分の所有物である住宅を自身で使用する、または建 て替えする場合、賃借人に対して、契約期間満了である1年前~6ヶ月前までに契 約を更新しない旨の通知、さらに、この通知には借地借家法第28条が求める『正 当事由』の必要性がなければならないとされます。 この正当事由が認められるかどうかは、以下の事情を考慮することになっていま す。 (1)建物の現況 老朽化する建物の大規模修繕あるいは建て替えが急務として緊急性として必要。 その証明ができる。建物敷地権利の喪失で使用・利用が困難になっている。 (2)賃貸人が建物を必要とする事情 賃貸人が更新を拒絶し、建物を自ら使う必要性がどの程度であるか。または、賃 借人が他に使用できる建物があるか。 (3)賃貸借に関する事前の経緯 賃貸借をした経緯や、権利金等支払いの有無、その金額状況、契約上義務の履行 。 (4)建物の利用状況 賃借人の利用状況。 (5)賃貸人への立退料 立退料を提供すれば正当事由を満たしていると判断されるわけではなく、その他 の事情が備わり、それと共に立退料の提供もあるときは、正当事由の1つとして 判断されます。 ※ただ、建物が古いので立て替える、家族が入居するからとの理由で改築するか らと言って明け渡しの正当事由にはなりません。双方の事情を総合的に判断され ます。また、立退料を支払すれば正当事由に加味されますが、金銭の給付である 立退料は相手の要求が高額になるケースが多くなるために、十分注意が必要とな ります。 ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【4】ラジオ番組レポート! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 関東・関西・九州のラジオ番組に当事務所所長の星野がコメンテーターとして 出演中です!毎週、相続、借金問題を中心に様々なお金の悩みの解決方法を お届けしています! ■番組『お金の悩み110番』 <ラジオ日本> 毎週金曜日 12:20~12:30 毎週日曜日 16:50~17:00(※再放送 ) <KBS京都> 毎週金曜日 17:30~17:40 毎週日曜日 17:30~17:40(※再放送) <OBS大分> 毎週月曜日 19:00~19:10 <NBC長崎> 毎週土曜日 16:30~16:40 <IBS茨城> 毎週水曜日 10:35~10:45 毎週土曜日 16:45~16:55(※再放送) <RKK熊本> 毎週水曜日 18:20~18:30 ネットでラジオが聞ける「radiko」でも各番組が聴けます! ◆radiko(※一部地域除く) http://radiko.jp/ ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【5】「相続・遺言」無料セミナー&個別相談会開催のお知らせ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今月も当事務所所長の星野が講師を務め、「相続・遺言」をテーマに、 無料セミナーを開催致します。 7月15日に千葉県市川市にて行われたセミナーでは、セミナー終了後も多くの 参加者が会場に残り、講師や当事務所スタッフに相談する姿が見られました。 そんな参加者の要望に沿うようにと、今回は、セミナー終了後に個別相談会を ご用意しております。 相続を「争族」にしないための秘訣を学びたい方や遺言の書き方を知りたい方 だけでなく、今まさに相続や遺言のことでお悩みの方にも是非ご参加いただけ ればと存じます。 <日時> 8月3日(土)13:15~16:45 <会場> 横浜市西公会堂 所在:神奈川県横浜市西区岡野1-6-41 アクセス:各線「横浜」駅より徒歩10分 <内容> 第1部 相続のおはなし 第2部 幸せを呼ぶ遺言書 <定員> 35名(先着順) <費用> 無料 <申込・問合せ> 0120-964-395(担当:さない) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■発行:星野合同事務所 https://hgo.jp/?mailmaga ■お問い合わせ close_up@hgo.jp 03-3270-9962 ■編集担当 石川 ■購読登録・解除 https://j.blayn.jp/sm/p/f/tf.php?id=hgo ■バックナンバー https://hgo.jp/?mailmaga 掲載文章の無断転載を禁じます。情報内容には万全を期していますが、 これに基づき万が一損害が発生した場合には責任を負いかねます。 All Rights Reserved, Copyright (C) Hoshino Godo Office. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★