メルマガCLOSEUP Vol.069 VISA(査証)と在留資格の違い/福祉型信託について
2013.03.29更新
★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ CLOSE UP VOL.69 司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇2013/03/29◇━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 東日本大震災に関するお知らせ : 震災後の主要法令 特例措置のご案内東日本大震災 震災後の主要法令 特例措置―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◎はじめての方へ このメールは当事務所お取引先、または当事務所所員が名刺交換させて頂いた方 メルマガ配信登録をしていただいた方に配信させていただいております。 登記、法務、許認可等に関し、有用と思われる情報を少しずつ提供いたしますの で、よろしくお願いします。 ※配信停止を希望される方は、(1) 件名に「配信停止」と入れ、このメールに返 信していただくか、(2) https://j.blayn.jp/sm/p/f/tf.php?id=hgo にアクセス し、メールアドレスを入力欄に入れて「解除」ボタンを押してください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★ INDEX ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【1】VISA(査証)と在留資格の違い 【2】福祉型信託について 【3】あいうえお順で覚える!!法律用語 【4】ラジオ番組レポート! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【1】VISA(査証)と在留資格の違い ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 外国人が日本に入国する際、また、日本人が外国で滞在する際に、”VISAを取得 する”とか”VISAの有効期限を延長する”という言い方をします。また、在留資 格という言い方もあり、両者が混同して使われている傾向がありますので、一度 整理してみましょう。 原則的に日本国内に外国人が滞在するためには、その目的を明らかにしなければ なりません。VISAの申請は、日本国の在外公館(日本大使館・日本領事館等)で 行いますが、短期滞在以外の活動(就労活動・家族滞在等)を日本で行う場合、 その審査は、日本の法務省でされます。在外公館は外務省の所管なので、在外公 館で就労活動の審査はできず、在外公館から外務省に伝えられ、外務省から法務 省に伝えられ、それから審査が行われるので非常に時間がかかります。 そこで、外国人が就労活動を行う場合、あらかじめ日本国内の会社(入国後の勤 務先)が、外国人を呼び寄せるために雇用契約書等を入国管理局(法務省管轄) に提出して在留資格認定証明書の交付申請を行い、交付後、在留資格認定証明書 を外国人に送付し、その外国人が在外公館にてVISAの申請をします。 家族滞在のときは、呼び寄せるのが、日本に滞在する外国人になったり、留学す るときは、呼び寄せるのが、日本の大学等になります。 在留資格認定証明書を在外公館に提出してVISAが申請されると、入国後の活動は 既に在留資格認定証明書によって法務省が証明しているので、在外公館は、その 外国人が日本に入国していいかどうかの判断のみすればよくなり、短期間でVISA の審査が済みます。 つまり、VISA(査証)とは、日本に入国する際の通行許可証・通行手形のような ものです。したがって、VISAは入国の際に使用し、その機能は終えます。そのた め、言い過ぎですが入国後は捨ててしまっても問題ありません。しかし、(ここ からが混同の原因なのですが)そのVISAというスタンプ(日本の場合、パスポー トにシールが貼られます)の中に記載された、入国後行うことのできる活動(= 在留資格)に基づいて、その外国人はその後日本に滞在することができます。 外国人が日本に入国して就労できるまでの手順をまとめると、(1)日本で就労で きる許可をもらう(=在留資格認定証明書交付申請)その後で、(2)日本に入国 する許可をもらう(=VISAの申請)ということとなります。日本に入国するとき は、VISAを使い、その後の滞在は、在留資格によって行います。 外国人の採用をする場合は、このように在留資格、VISAを取得する必要がありま す。この取得には、1ヶ月から2ヶ月程度かかり、かなりの専門性が要求されま す。外国人の採用をご検討の場合は、是非当事務所までご相談ください。 ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【2】福祉型信託について ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■福祉型信託とは 高齢者や障がい者のための生活支援・財産管理に民事信託を活用する場合があり ます。これを、福祉型信託といいます。我が国の少子高齢化や核家族化の進展に 伴って、ニーズが急速に高まっています。 では、どのような場面において、福祉型信託を活用するのでしょうか? ■福祉型信託の活用 (1)親も老いますし、子よりも先に亡くなるのが通常です。その子が障がい者で あった場合、親御さんは「自分の死後、子がどうなるのか」を常に不安に感じて います。 その対策として、「負担付遺贈」という手法がありました。親御さんは、障がい を持つ子以外の者に財産を多めに残す代わりに、障がいを持つ子の世話(負担付) をするよう遺言をしていました。 しかし、多めに財産を受け取った者(受贈者)が、障がいを持つ子の世話をせず にトラブルになったり、この受贈者が破産した場合、子の生活支援のお金が無く なってしまうなど、非常にリスクの多い手法でした。また、法的な監督者もなか ったため、実効性に乏しいという状況が続いていました。 (2)親の世帯と子の世帯が離れて暮らすことが多くなった昨今、高齢の夫婦が抱 える問題として、旦那さんが亡くなった後に、残された奥さんが既に認知症を抱 えていたり、身体が衰え介護が必要な状態になっていた場合に財産管理・身上監 護をどうするのかといった問題があります。 上記(1)、(2)のような問題に対しては、後見制度を活用していくことで、解決 が図られています。障がいを持つ子や認知症の奥さんに後見人が付くことで、子 や奥さんの財産管理・身上監護を支援していくことができます。 ただし、後見制度を活用した場合、子や奥さんの保護・支援に重きを置いている ため、財産管理も硬直的な取扱いにならざるを得ず、逆に制度の利用を敬遠され るケースも見られます。 そこで、民事信託の登場となります。これにより以下のようなことが実現できま す。 《1》旦那さんや親御さんが委託者となり、奥さんや障がいを持つ子を受益者と します。受託者には親族等を選び、財産管理を任せます。受託者は、信託で定め られた範囲の中でしか財産の管理・処分はできません。受益者である奥さんや子 に不利益となる行為をさせない仕組みを作ることができます。 《2》《1》とは逆のことを言っているように見えますが、信託で定めれば、そ の範囲内で、奥さんや子のための財産保全に配慮しつつ、積極的な財産の運用処 分を行っていくこともできます。 《3》後継ぎ遺贈型の信託のスキームを組むことで、奥さんや子の生活保障から 一歩進んで、財産を未来の世代に承継させていくこともできます。 《4》受託者となった者が破産しても、信託には財産隔離機能があるため、信託 財産は保全され、奥さんや子の生活は守られます。 《5》信託監督人などを選任することにより、受託者が間違いを起こさないよう 監督していくことが可能です。 《6》成年後見制度と併用すれば、奥さんや子の保護・支援を強固にすることが できると同時に、信託による柔軟な財産管理・処分・運用を行っていくことがで きます。 ■福祉型信託のニーズ 福祉型信託において応えられるニーズには、以下のようなものがあります。 ・高齢者・障がい者の財産管理 ・親亡き後の子の生活保障 ・自分亡き後の配偶者の生活保障 ・認知症などにより自分の判断能力が衰えた場合に備えて財産を管理して欲しい ・死後の葬儀、供養、支払い等を円滑に行いたい、死後の財産争いを防ぎたい ・自分が認知症や身体が不自由になっても不動産を安定的に管理していきたい ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【3】あいうえお順で覚える!!法律用語 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「る」で始まる法律用語 【類推適用】 法律を専門に勉強する上で必ず耳にすることになる類推適用という単語。 辞書でひいてみると、『直接定めた法規がない場合に、もっとも類似した事項に ついての法規を適用すること』とあります。もっと大雑把にいえば、事案を解決 するのにぴったり合致する法規がない場合でも立法趣旨に照らし、その守備範囲 を少し広げて解決しようとすることです。 代表的なものとして、民法94条2項があります。実際に通謀虚偽表示の場面でな くても権利外観法理の理論に従い、第三者を保護するために使われる類推適用の 一種です。 民法が比較的多く類推適用を用いる一方で、刑法においては類推適用は禁止され ています。罪刑法定主義が大前提である刑法には類推適用の趣旨が妥当しないか らです。 次回は「れ」から始まる用語を解説します! ★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★ 【4】ラジオ番組レポート! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 関東・関西・九州のラジオ番組に当事務所所長の星野がコメンテーターとして 出演中です!毎週、相続、借金問題を中心に様々なお金の悩みの解決方法を お届けしています! ■番組『お金の悩み110番』 <ラジオ日本> 毎週金曜日 12:20~12:30 毎週日曜日 16:50~17:00(※再放送 ) <KBS京都> 毎週金曜日 17:30~17:40 毎週日曜日 17:30~17:40(※再放送) <OBS大分> 毎週月曜日 19:10~19:20 (↓変更) 毎週月曜日 19:00~19:10 <NBC長崎> 毎週土曜日 14:00~14:10 ◆以下4局 4月より新たに放送開始決定!!◆ <RAB青森> 毎週木曜日 18:16~18:25 <IBS茨城> 毎週水曜日 10:35~10:45 毎週土曜日 16:45~16:55(※再放送) <RFCラジオ福島> 毎週土曜日 16:45~16:55 <RKK熊本> 毎週水曜日 18:20~18:30 ネットでラジオが聞ける「radiko」でも各番組が聴けます! ◆radiko(※一部地域除く) http://radiko.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■発行:星野合同事務所 https://hgo.jp/?mailmaga ■お問い合わせ close_up@hgo.jp 03-3270-9962 ■編集担当 石川 ■購読登録・解除 https://j.blayn.jp/sm/p/f/tf.php?id=hgo ■バックナンバー https://hgo.jp/?mailmaga 掲載文章の無断転載を禁じます。情報内容には万全を期していますが、 これに基づき万が一損害が発生した場合には責任を負いかねます。 All Rights Reserved, Copyright (C) Hoshino Godo Office. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★