星野合同事務所

司法書士の業務範囲の拡大による司法書士が行なうことができる財産管理業務

2015.04.13更新

司法書士の業務範囲の拡大による司法書士が行なうことができる財産管理業務

一般的に不動産、法人等の登記業務の専門家として認知されている司法書士という資格ですが、平成14年の司法書士法改正によって、司法書士は簡裁訴訟代理等関係業務(いわゆる簡裁代理権)を行なうことができることとなり、訴額140万円までの簡易裁判所における民事訴訟等手続の代理人として、手続に関与することができるようになりました。

その他、同法改正によって同法第29条第1項第1号及びこれを受けた同法施行規則第31条が新設されました。この改正により、司法書士が、不動産、法人等登記業務や、簡裁訴訟代理等関係業務のほか、いわゆる「財産管理業務」を行うことができる旨が明文化されました。

司法書士法施行規則第31条第1項第1号において、「当事者その他関係人の依頼」つまり依頼者との委任契約による財産管理業務が、司法書士の行なえる業務内容として明記されたことから、今までは弁護士が裁判所から選任されることの多かった遺言執行者、各種財産管理人などの、法令上の地位に基づく財産管理業務はもとより、依頼者からの依頼に基づいて、司法書士が依頼者の任意の財産管理人となり、依頼者の財産管理業務を行なうことができるようになりました。

具体的には、司法書士が依頼者の代理人として、金融機関等にて依頼者口座の解約等、各種手続を行なうことも可能です。

【司法書士法 第29条】
司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
一 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務 の全部又は一部

【司法書士法施行規則 第31条】
法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。
1 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
2 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務
  ………
5 法第3条第1項第1号から第1号まで及び前各号に掲げる業務に附帯し、又は密接に関連する業務

このように、司法書士は登記や裁判のスペシャリストにとどまらず、ご依頼者様の財産管理保全等のスペシャリストとして、様々な局面で皆様のお力になれる場面がございます。

また、弊所は司法書士のほかに同グループ内に、弁護士、行政書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士などの様々な士業が在籍しており、依頼者様のお悩みにつき、リーガルワンストップサービスをを提供しております。お気軽にご相談下さいますよう、宜しくお願い致します。