星野合同事務所

マイナンバー制度について

2015.03.30更新

日本政府は日本に住むすべての人に割り振る共通番号(マイナンバー)を2016年から導入する予定です。マイナンバー制度は最新の基本4情報(氏名、住所、性別、生年月日)と関連付けられている個人に、一人一番号で重複の無い番号を付与するものです。なお、法人には法人番号を付与します。

現在、個人で各種申請のために行政機関から添付書類を収集しようとした場合、国や県等で管轄が複雑に分かれており、なおかつ各行政機関における情報の連携が不足していること等から本来年金の給付を受けることができる人が未受給となったり等さまざまな問題が発生しています。一方行政側でも申請された内容の確認に多大な時間的コストがかかることや、業務間の連携が希薄なことから重複して作業を行うなど、無駄な経費が多いという問題があります。

このような問題を解決するため、マイナンバー制度が導入されるのですが、具体的には、個人が各種申請を行う際に必要な情報につき、申請者が添付書類等を準備するのではなく、申請を受けた行政機関が、マイナンバーを通じて関係機関に照会を行うことで取得することが可能となるため、申請者が窓口で提出する書類が簡素化され、行政サービスの利用が大変便利になるとおもわれます。

マイナンバー制度は現在、社会保障と税金について適用されることを目的としていますが、政府は2018年を目処に戸籍にも適用することを検討しています。これにより婚姻やパスポート申請、相続関係手続といった行政手続きの際に戸籍謄本が不要になる予定です。将来的にはインターネットで婚姻などの手続きが可能になるかもしれません。

しかし、家族関係など幅広い個人情報を含む戸籍をマイナンバー適用すると、情報漏洩が発生した際の被害が大きくなる可能性があるため、関連法案の整備が求められます。

また、相続時の保険金の受け取や預金の引継ぎなど、民間が関わる手続きに利用が認められるかについては、今後の課題となりそうです。