相続には単純承認、相続放棄、限定承認の３つの種類があります。
特に相続放棄、限定承認には期間の制限がありますので、相続が開始したことがわかったらすぐに財産調査をしましょう。

相続放棄

相続放棄をするとプラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しないことになるため、プラスの財産よりマイナスの財産の方が多い場合などは相続放棄をした方が良い場合があります。

相続放棄をする場合は、自分のために相続の開始があったことを知ったときから３ヶ月以内に、故人が最後に住んでいた場所を管轄する家庭裁判所に相続放棄をする旨を届け出ます。
相続放棄をするとその相続に関しては初めから相続人にならなかったものとみなされます。

相続放棄をしても、その放棄によって新たに相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、その管理をする必要があります。
また、相続放棄をしても死亡保険金の受給者に指定されていれば、保険金を受け取ることができます。

相続人である未成年者または成年被後見人に相続放棄させる場合、その法定代理人が届出を行います。
未成年者の法定代理人がその親の場合、相続放棄させるためには特別代理人を選任する必要があります。

必要書類

相続放棄に必要な書類は次のとおりです。

1. 相続放棄の申述書
2. 申述人の戸籍謄本
3. 故人の戸籍謄本（除籍謄本・改製原戸籍謄本）と住民票除票
4. 申述人１人につき収入印紙800円+連絡用の郵便切手

※一例となります。

相続の承認・放棄の期間伸長

自分のために相続の開始があったことを知ったときから３ヶ月以内に相続放棄をするか否か決められないときには、利害関係人（相続人を含む）又は検察官の請求によって、裁判所は３ヶ月という期間を伸長することができます。
単純承認・相続放棄・限定承認は、どれも一度行ったら撤回することができません。そのため、３ヶ月という期間を伸長する制度が設けられているのです。

相続の承認又は放棄の期間伸長申し立てに必要な書類は次のとおりです。

1. 相続の承認又は放棄の期間伸長申立書
2. 申立人（相続人）の戸籍謄本
3. 故人の戸籍謄本（除籍謄本・改製原戸籍謄本）と住民票除票
4. 相続人1人につき収入印紙800円+連絡用の郵便切手

※一例となります。