星野合同事務所

新中間省略登記「直接移転売買とは?」

2008.04.24更新

不動産売買の節税対策が期待できる手段として、現在注目を浴びているのが新中間省略登記「直接移転取引」です。従来行われてきた中間省略登記に代わり、現在二つの方法が実際に認められ、運用されております。

※本来、中間省略登記申請は認められないものですが、不動産登記法の改正(平成17年3月)まで事実上行われてきました。

※この他、AB間の契約に「履行の引受け」、BC間の契約に「他人物売買」、「第三者の弁済」の特約が必要です。またAB間、BC間それぞれの契約となるため、AB間、BC間以外で売価は明らかになりません。

※「買主たる地位の譲渡」では各々に対して売買価格と差益が明らかになるデメリットがあります。つまり直接移転売買と異なり売買契約が1つしか存在せず、AB間の売買におけるBの買主たる地位をそのままCに移転するため、CはAB間の売買価格を知ることになり、Bの差益を知ることになるわけです。


メリットとリスク

新中間省略登記のメリットは、Bについては登録免許税のみならず、不動産取得税も課税されないことにあるといえます。特に高額な売買である場合は、節税効果は非常に高く、大変メリットがあると言えます。しかしながら、メリットと同時にリスクも当然発生します。

例1)印鑑証明書の期限切れ

前記のAB間の契約後、BC間の契約までの間に期間がある場合、Aの印鑑証明書の有効期限(発行から3ヶ月以内)が切れてしまうという事態が考えられます。そうするとCが印鑑証明書の有効期限内に現われなかった場合、B名義の所有権移転登記を一旦入れなければならず、「直接移転売買」の目的を達することができません。このような場合には、予め売買契約書で一定の期間内はBが印鑑証明書の発給をAに求めることができるよう定めておくことで、このようなリスクをいくらか軽減することは可能でしょう。

例2)所有権の取得

いったんAに対して代金を支払っておきながら、Bは所有権を取得せず、Aに所有権が留保されるため、場合によってはB自身はもちろんCも所有権を取得できないという可能性をはらんでいることが挙げられます。このような場合にも、BがAに対して有している売買代金債権を被担保債権にして根抵当権の仮登記を設定しておくことで、Aが契約に反する行為を起こさせないようにできますので、ある程度はリスクを回避できるでしょう。

実際に「直接移転売買」を行う際にはこのようなリスクが内在していることを理解し行う必要があり、このスキームを使った取引に詳しいテクニカルな司法書士などのサポートがリスク低減へ効果があると言えます。当事務所では売買契約締結の段階からご相談に乗らせていただきますので、是非まずはお気軽にご相談ください。

なお、代金の支払いも引渡しも既に終了しているが、登記はせずに放置していたというような場合には、実体的に所有権は完全に移転しているので新中間省略登記によって処理することはできません。その点、予めご了承ください。