星野合同事務所

【Close up】 Vol.107 商業登記規則改正について/不動産登記における法人の資格証明書の省略について

2016.06.02更新

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  CLOSE UP VOL.107  司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇2016/5/31◇━━

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★ INDEX
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  【1】商業登記規則改正について
  【2】不動産登記における法人の資格証明書の省略について
  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
  【4】ラジオ番組レポート!
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【1】商業登記規則改正について
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平成28年4月20日に商業登記規則の改正(法務省令32号)が
公布されましたので、簡単にご紹介させていただきます。
なお、施行日は平成28年10月1日と予定されております。

まず主な改正内容の条文(商業登記規則第61条第3項 ※一部省略しております。)
をご紹介しますと、

登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、
申請書に、総株主の議決権の数に対する
その有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であって、
次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、
当該株主のそれぞれが有する株式の数及び議決権の数並びに
当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を
添付しなければならない。
一、十名
二、その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、
その加算した割合が3分の2に達するまでの人数

となっております。

要するに、商号変更や目的変更等の登記事項につき
株主総会決議を要する場合には、
登記申請の際の添付書面として、株主総会議事録の他に
その株主総会にかかわる主要株主が載っている株主リストを
添付する必要があるということです。
添付するものとして、議決権割合上位から3分の2に達するまでの大株主
(10名以上であれば、上位10名、10名未満であれば当該10名未満の株主)の
 1、氏名(名称)
 2、住所
 3、保有株式数及び保有議決権数
 4、議決権割合
を記載したものが必要となります。

その他の改正として、
「登記事項として、総株主の同意を要する場合にも、
株主全員の氏名(名称)、住所、
保有株式数及び保有議決権数を証する書面を添付する」
(商業登記規則第61条第2項)等についても改正がなされております。

昨年の取締役等が就任する場合の添付書面等の改正同様
大きな改正となります。
中小企業の中には、株主名簿を整備していない会社もあるかもしれませんが、
この機会に株主名簿をしっかり整備する必要がございます。

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【2】不動産登記における法人の資格証明書の省略について
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平成27年11月2日より、不動産登記令及び不動産登記規則が改正され、
従来必要とされていた、法人の資格を証する書面の添付が不要となりました。

改正前は、法人が不動産登記を申請する場合、原則として
申請書に法人の代表者の資格を証する書面を添付しなければなりませんでしたが、
改正後は、資格証明書に代えて、会社法人等番号を提供することとなりました。
これにより、不動産登記を受理した登記所が、会社法人等番号により、
申請した法人の代表者等を確認することになりました。

また、会社法人等番号を提供することにより、
代表者の資格を証する書面だけでなく、住所を証する書面、
合併による承継を証する書面及び法人の名称変更等を証する書面も
省略できることとなりました。
さらに、第三者の許可等を証する書面を作成した法人の
登記事項証明書についても省略できることとなりました。
例えば、取締役会議事録を添付する場合の法人の登記事項証明書も
省略可能となりました。

これは従来、登記所では、
添付された証明書で法人の登記記録の内容を確認していましたが、
改正後は、登記所が直接、会社法人等番号により法人の登記記録を検索し、
確認するという方法に変わったということです。

ただし、例外的に登記事項証明書等を添付すべき場合が二つあります。

まず第一は、住所の変更事項等が閉鎖登記記録に記載されている場合です。

この場合でも、閉鎖登記記録に現在の会社法人等番号が記載されている場合は、
閉鎖事項証明書等の添付を省略できます。
しかし、平成24年5月20日(外国会社にあっては平成27年3月1日)以前の法人の登記では、
組織変更や他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記等をする場合には、
会社法人等番号が変更されていました。
この変更前の会社法人等番号が記録された登記記録に
住所の移転の事項が記録されているときは、
現在の会社法人等番号の提供だけでなく、それに加えて、
住所の移転の事項を確認できる閉鎖事項証明書
または閉鎖登記簿謄本を添付する必要があります。

これは、現在の会社法人等番号により検索し、
法人の登記記録を確認しても、変更の経緯が確認できないためです。

第二は、法人がその法人自身の登記を申請している場合に、
不動産登記を申請する場合です。

この場合、法人の登記記録が登記中の状態になっており、
内容が確認できないため、法人の登記が完了するまで、
不動産登記の処理が進まないこととなります。

この場合は、作成後一ヶ月以内の登記事項証明書を添付すれば、
法人の登記が登記中であっても、不動産の登記は処理されることとなります。
すなわち、法人自身の登記の申請の予定があり、
その登記が完了する予定よりも前に不動産登記を申請する予定がある場合は、
あらかじめ法人の登記事項証明書を取得しておいていただく必要があります。

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【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
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「や」で始まる法律用語

【屋号(やごう)】

屋号とは、苗字とは別に商店の商業上の名であり、
生国や姓の下に「屋」をつけたものが多くみられます。

江戸時代、武士以外の身分は姓を名乗れませんでしたが、
商人などの身分が生まれ、便宜上必要となったことから
つけられたのが屋号の始まりです。

その後、明治維新で全ての国民が姓を名乗ることになり、
屋号を姓とした家が多く誕生しました。
商業においては、屋号は看板として商人の信用の基礎となり、
現在でも屋号を商号として使用している会社や個人事業主は多くみられます。

屋号は店舗ごとに複数持つことができ、
禁止されている名称以外は、特に許可手続きや申請手続きを経ることなく
自由に使用することができます。

一方、商号は同一管轄で同一商号を使用することはできません。


次回は「ゆ」から始まる用語を解説します!

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【4】ラジオ番組レポート!
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