星野合同事務所

【Close up】 Vol.106 ペットのための信託/改正中小企業経営承継円滑化法が施行されました

2016.04.28更新

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  CLOSE UP VOL.106  司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇2016/4/28◇━━

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★ INDEX
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  【1】ペットのための信託
  【2】改正中小企業経営承継円滑化法が施行されました
  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
  【4】ラジオ番組レポート!
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【1】ペットのための信託
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ある統計によると、現在日本で飼育されている犬・猫の頭数は
2,000万頭を超えるとのことです。
15歳未満の人口が約1,600万人なので、今の日本では
子どものいる家庭よりもペットのいる家庭の方が多いことになります。
特に高齢者のみの世帯が増えた現代社会においては、
ペットの存在が大きな癒しとなっています。
海外では、犬の散歩が高齢者の心身に好影響を及ぼすなどの効果により、
ペット飼育によって医療費が抑制されたとの調査結果も報告されました。
もはや「ペットは家族」という考え方は当たり前となっており、
その分、自分に万が一のことがあったときのペットの行く末を心配する
高齢者の方も多いのではないでしょうか。

自分が死んだ後、残されたペットの面倒をみてもらうための法的として、
まず遺言が考えられます。
この場合は、ペットの世話をしてもらうことを条件に、
飼育費としての財産を譲るという内容で遺言を残します。
法律的には「負担付き遺贈」と呼ばれる形です。
財産を受け取った人間が、実際に遺言書の内容のとおりペットの面倒をみるように、
遺言執行者というチェック役を遺言で指定しておくことが通常です。
ただし、負担付き遺贈は、遺言者側の一方的な意思表示によるものですので、
受け取る側はこれを拒否することができます。
また、遺言は死んだ場合のことはカバーできても、
認知症など意思能力不十分となった場合のことはカバーできません。
ペットの世話を確実にやってもらうという意味では、不安の残る方法です。

そこで近年注目を浴びているのが、信託を活用する方法です。
「信託」とは、財産の所有者(委託者)が、信頼できる誰か(受託者)に財産を移転し、
受託者が、利益を受ける者として指定された者(受益者)のために
その財産の管理・処分を行う制度です。

たとえばこんなケースを考えてみましょう。

70歳になるA子さんは、ご主人に先立たれた後、
犬のタローと一緒に暮らしています。
子どものいないA子さんにとって、タローは唯一の家族と呼べる存在です。
これまでタローとたくさんの楽しい思い出を作ってきました。
タローのおかげで、同じ犬好きの友達にも恵まれました。
ただ、身寄りのいないA子さんにとって、自分がもし急死してしまった場合、
事故などに遭って意識不明となってしまった場合に、
自分の代わりにタローの面倒を見てくれる人はいません。
A子さんの妹であるB子さんは、A子さんの気持ちは理解してくれているものの、
ご主人が動物嫌いのためタローを引き取ることはできません。
犬好き仲間のC美さんはタローを引き取ってあげてもよいと言ってくれていますが、
親族ではないC美さんが、もしものことがあったときに
心変わりしない保証はありませんし、
そもそもA子さんにもしものことがあったことすら
知ることができない可能性もあります。

この場合、信託を使うと次のような仕組みを作ることができます。

受託者をB子さん、受益者をC美さんとする停止条件付き信託契約を締結し、
もしものことがあった場合にはタローの飼育費に当たる金銭が
B子さんに託されるようにします。
これとは別に、もしものときにはタローの飼育権がC美さんに移転する契約を結び、
タローの飼育費として、信託された金銭が定期的に
B子さんからC美さんに支払われる形をつくります。
また、契約どおりに金銭が使われているか、ペットの面倒が見られているかを
チェックする第三者として、信託監督人を置くこともできます。

金銭を管理する人と飼育する人を別々にすることで、
横領や虐待の可能性を減らせますし、
全体を管理する専門家をつけることで、
より飼い主の思いを実現しやすくなります。

ペットの将来を心配されている方は、信託をご検討されるとよいかもしれません。

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【2】改正中小企業経営承継円滑化法が施行されました
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平成28年4月より、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律
(経営承継円滑化法)の改正法が施行されました。
今回の主な改正に「遺留分に関する民法の特例」がありますので、
その内容を確認したいと思います。

◆ 経営承継円滑化法の遺留分に関する民法特例とは
中小企業の事業承継において、現在の経営者から後継者へ
自社株式を集中して承継させようとすると、遺留分が問題になることがあります。
例えば、現経営者である父親が生前贈与や遺言によって
後継者である長男に自社株式を集中して承継させた場合、
遺留分を侵害された他の推定相続人は長男に対して
遺留分に相当する財産の返還を求めることができます。
その結果、自社株式が分散してしまい、
事業承継にとって大きなマイナスになることがあります。
このような問題に対処するため、経営承継円滑化法は
「遺留分に関する民法の特例」を規定しています。

◆ 遺留分に関する民法特例合意の内容
現経営者の推定相続人全員の合意により、
現経営者から後継者へ贈与等された自社株式について、
次のとおり遺留分の算定に係る合意を行うことができます。

(1) 除外合意
後継者が贈与等を受けた株式を遺留分算定基礎財産から「除外」する合意。
これにより、後継者が取得した自社株式について
他の相続人は遺留分の主張ができなくなるため、
相続に伴う自社株式の分散を防止することができます。

(2) 固定合意
後継者が贈与を受けた株式について、
遺留分算定基礎財産に算入する評価額を合意時の価額で「固定」する合意。
これにより、後継者への自社株式承継後に自社株式の価額が上昇しても
遺留分の額に影響しないため、
後継者は相続時に想定外の遺留分の主張を受けることがなくなります。

なお、(1)(2)を組み合わせることも可能です。

◆ 親族以外の後継者についても利用可能に
改正前は民法特例制度の利用にあたり、
後継者が現経営者の推定相続人である必要がありましたが、
改正により後継者の推定相続人要件がなくなりました。
今後は、現経営者の推定相続人全員及び後継者で合意すれば、
親族外の事業承継においても民法特例制度が利用できるようになります。
改正の背景には、事業承継の形態が多様化し、
親族外承継の割合が増加していることがあります。
民法特例制度がより多く利用され、
円滑な事業承継が行われるよう期待したいところです。

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【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
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「も」で始まる法律用語

【持分会社(もちぶんがいしゃ)】

持分会社とは、合名会社、合資会社及び合同会社という3つの会社類型の総称です。
(会社法第575条第1項)

持分会社の3類型には共通点が多いですが、
その決定的な相違点は、会社を構成する社員の責任の違いにみられます。

社員の責任の違いとは、合名会社は無限責任社員のみであり、
合資会社は有限責任社員と無限責任社員が混在しており、
合同会社は有限責任社員のみであることです。
無限責任社員とは無制限に会社の債務つまり責任を負う社員であり、
有限責任社員とは履行した出資の限度で責任を負う社員です。

持分会社は、所有と経営の一致により、
社員でなければ業務執行をすることが出来ず、
定款自治が広く認められるため、
内部の規律について自由に決定できる範囲が広いことが特徴です。


次回は「や」から始まる用語を解説します!

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【4】ラジオ番組レポート!
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関東・関西・九州のラジオ番組に当事務所所長の星野が
コメンテーターとして出演中です!

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毎週金曜日 12:20~12:30※月曜日とは内容が異なります
毎週月曜日 17:50~18:00

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