星野合同事務所

メルマガCLOSEUP(Vol.061 契約書の記名押印~部長の印鑑は有効!?/過払金返還請求に関する最新の最高裁判決)

2012.07.31更新

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  CLOSE UP    VOL.61  司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇2012/07/31◇━━

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東日本大震災に関するお知らせ : 震災後の主要法令 特例措置のご案内
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★ INDEX
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  【1】契約書の記名押印~部長の印鑑は有効!?
  【2】過払金返還請求に関する最新の最高裁判決
  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
  【4】ラジオ番組レポート!
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  【1】契約書の記名押印~部長の印鑑は有効!?
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取引先と契約を締結する際、相手方の記名押印が部長名だった。

このような場面に遭遇することが稀にあると思います。一般的に、契約の効果が
及ぶ契約の主体は、契約書の冒頭と最後に確認されることになります。その契約
者名と印鑑が部長である場合、果たして、この契約の効力は有効なのでしょう
か。

部長は会社に雇用されている一使用人に過ぎません。ただし、当該部書に関する
具体的な職務権限を与えられていることから、部分的ではありますが包括的な代
理権を有しています。
商法25条1項では以下のように規定されています。

(ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人)
第25条 商人の営業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、
当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。

したがい、部長がその権限の範囲内でおこなった行為であれば部長印であっても
有効ということになります。

それでは、部長がおこなった行為が与えられた職務権限を越えていた場合はどう
でしょうか。
会社側としては、その取引を有効なものとされてしまうのは酷であるとも思われ
ます。しかし、その取引を無効としてしまうと、取引先としては逐一相手方の職
務権限規定等を確認しなければならず、スピーディーな取引を阻害することにな
ります。

このため法は、内規等による権限の制限を知らない取引先に対しては、その無効
を主張することができないとしています(下記商法25条2項)。

2 前項の使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができ
ない。

法人との契約において、その契約締結行為がその法人としての正式な承認を得た
ものかどうかという点は非常に重要です。一般的には、会社を代表すると一般的
に判断される一定の役職者等により契約が締結されるのが殆どなので問題となる
ことは少ないでしょうし、通常の取引契約において、その有効性を確認するとこ
ろまでは行っていないのが多数だと思います。

国際取引や組織再編等の重要な契約等の場合には、通常表明保証等により、正式
に機関決定がなされたものなのかどうかを担保することが必須といえますが、場
合によっては取締役会議事録や株主総会決議に関する証明を要求することもあり
ます。

一般的な取引においても、押印者によっては、その有効性の可否についての判断
がつかない場合もあるため、契約者の記名押印は会社を代表する者が行うのがよ
いでしょう。



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   【2】過払金返還請求に関する最新の最高裁判決
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消費者金融会社は、再編が多くなされており、プロミスは、以前はクラヴィス
(昔の名称はリッチ、ぷらっと、クオークローン、タンポート、シンコウ、東和
商事)の親会社でしたが、今は同社の株式をネオラインキャピタルへ売却してし
まっています。

そこで、プロミスが、クラヴィスの過払金を払う必要があるか、裁判で争いに
なっており、最高裁判所で相次いで、判決が言い渡されました。

平成24年06月29日に最高裁判所第二小法廷でプロミスに対する判決が出ました。
最高裁は、プロミスの完全子会社であるクラヴィスが、プロミスの子会社再編を
目的とする債権譲渡基本契約に基づき、クラヴィスの顧客との間の継続的な金銭
消費貸借取引に係る債権をプロミスに譲渡したからといって、プロミスがクラ
ヴィスの過払金返還債務を承継したとはいえないと判示しました。

つまり、プロミスは、クラヴィスの過払金を顧客に返還する必要はないというこ
とです。

これに対し、平成23年09月30日最高裁判所第二小法廷判決は、クラヴィスからプ
ロミスへ、契約を切り替えた事例について、金銭消費貸借取引に係る基本契約を
締結するに当たり、プロミスが顧客との関係において、クラヴィスの顧客に対す
る貸付を承継するにとどまらず、クラヴィスの顧客に対する過払金返還債務につ
いても全て引き受ける旨を合意したものと解されました。

つまり、クラヴィスの過払金について、プロミスが顧客に返還しなければならな
いということになります。

同じような事案にも関わらず、全く逆の結論になっています。合意といえるもの
があるかどうかが、判断の分かれ目になっているようです。

そして、今回プロミスは、7月1日付で会社名を「SMBCコンシューマーファ
イナンス」に変更しました。本年4月1日に三井住友銀行の完全子会社となった
ことから、三井住友フィナンシャルグループであることを明確に表現する名称と
なりました。もっとも、プロミスのブランド名は、引き続き使用するそうです。

これに対し、クラヴィスは、平成24年7月5日17時、大阪地方裁判所において破産
手続開始決定がされました。今後、債権者説明会が大阪(平成24年8月29日14時
から16時)及び東京(平成24年9月5日16時から18時)で開催されます。

クラヴィスが破産してしまったので、クラヴィスの過払金を回収するには、事実
上プロミスへ請求していくしか方法がなくなってしまいました。この最高裁判所
判例により、同じように返済していたにもかかわらず、プロミスから過払金を返
還してもらえる人と、もらえない人が出てきてしまいそうです。

今後も、消費者金融の経営状態や再編など事情の変化により、過払金があるにも
かかわらず、結局返還してもらえなくなってしまうことがあり得ます。

消費者金融やクレジットカードでキャッシングをしていた経験がある方は、お早
めにご相談されることをお勧めいたします。弊事務所でも、ご相談を承っており
ます。



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  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
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「む」無過失責任(むかしつせきにん)

「不法行為において損害が、生じた場合、加害者がその行為について故意・過失
が無くても、損害賠償の責任を負うということ。」

よく会社では、使用者責任が上げられます。

「使用者責任として、事業を監督するものも責任を負うこと。雇われている者
(被用者)が仕事をする上で他人に加えた損害を賠償しなくてはならない。ただ
し、被用者の選任や仕事ぶりについて十分監督したにもかかわらず、なお、損害
が発生したことを使用者が証明すれば、賠償の責任は負わない。」

また、特別法もあり、下記のような無過失責任を認める規定もかなり多くなって
きています。

<主な無過失責任として>
・無権代理人の相手方に対する履行または、損害賠償(民法第117条)
・委任者の受任者に対する損害賠償(民法第650条)
・工作物責任(民法第717条)
・動物占有者の責任(民法第718条)
・取締役が自己のためにした取引(会社法第428条)
・製造物責任(製造物責任法「PL法」)
・公の営造物責任(国家賠償法第2条)

などがあります。

昨今の飲酒事故・動物被害、エレベーター挟まれ事故、建物からの異物落下、購
買後の破損等、個々の被害がないようにしたいものですが、くれぐれも損害賠償
にはご注意ください。



次回は「め」から始まる用語を解説します!



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  【4】ラジオ番組レポート!
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