星野合同事務所

メルマガCLOSEUP(Vol.039 東雲グループ化のお知らせ/株主資本の部の構造/企業と裁判員制度/法律用語/今月のHP/ラジオ)

2010.09.30更新

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    CLOSE UP    VOL.39     星野合同事務所

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  【お知らせ】東雲グループ化のお知らせ
  【1】株主資本の部の構造 ○×クイズ
  【2】企業と裁判員制度
  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
  【4】今月のホームページ注目記事
  【5】ラジオ「お金の悩み110番」レポート!!九州地区で放送開始!
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  【お知らせ】東雲グループ化のお知らせ
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新秋の候益々ご隆盛の段お慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り幸甚に
存じます。

さて、この度、弊事務所はグループ化をいたしますので、ここにお知らせ申し上
げます。

世界経済が不安定さを増す中、我が国は、少子高齢化、政局の不安定、円高株
安、財政難など、枚挙にいとまがないほど多くの問題をかかえ、解決策を見出せ
ないでおります。

我われは、司法書士、行政書士事務所として、これまで以上のサービス向上を図
りながら、お客さまがこの激動する社会の大きな変化を成長への契機とする「真
に正しい意思決定」をしていただくために、経営コンサルタント、不動産アドバ
イザー、弁護士の専門家と有機的に一体となり、多角的視点でサービスを提供す
るファーム、いわば『経営のライフライン』になることを目指し、一つのグルー
プとして組織することといたしました。

そして、東の空が夜明けの闇から明へと変わる時間帯を表す日本の古語で、弊社
グループの成長への思いと存在意義を見い出し、
グループ名を『東雲(しののめ)』と命名いたしました。

これからも、お客さまのために、全員一丸となり、愚直に邁進して参ります。

何卒、東雲グループ 星野合同事務所をこれまでにも増してご支援ご愛顧を賜り
ますよう、宜しくお願い申し上げます。


平成22年9月吉日

司法書士法人・行政書士 星野合同事務所 所長 星野 大記



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  【1】株主資本の部の構造 ○×クイズ
☆★────────────────────────────────★☆

株式会社の貸借対照表の純資産の部は、基本的に以下の項目によって構成されて
います(会社計算規則第76条)。

1.株主資本
 a. 資本金
 b. 資本剰余金
  ア.資本準備金
  イ.その他資本剰余金
 c. 利益剰余金
  ア.利益準備金
  イ.その他利益剰余金
 d. 自己株式
2.評価・換算差額等
3.新株予約権

この区分は何となく知っているが、具体的にどういう仕組みになっているかはよ
くわからない、という方も多いと思います。

そこで、この純資産の部(特に株主資本の項目)について、簡単な○×クイズを
作りました。どうぞお試し下さい。

【Q1】
新株発行にともない、「資本金」、「資本準備金」、「その他資本剰余金」を増
加することは許されるが、「利益準備金」、「その他利益剰余金」を増加するこ
とは許されない。

【Q2】
会社が、その保有する自己株式を引き受けるものを募集して、自己株式を有償で
処分した場合、「株主資本」の総額は増加する。

【Q3】
会社が、その保有する自己株式を消却した場合、「株主資本」の総額は減少す
る。

【Q4】
「資本準備金」や「その他資本剰余金」は「資本金」に組入れることができる
が、「利益準備金」や「その他利益剰余金」は「資本金」に組入れることができ
ない。

【Q5】
 損失の処理のために減資を行っても、「株主資本」の総額は変化しない。


【A1】×
新株発行(会社法上は「募集株式の発行」)により増加できるのは、資本金の額
と資本準備金の額に限られ、その他資本剰余金の額を増加することはできません
(会社法第445条第1項、第3項)。
また、資本準備金として計上できるのは、新株の対価として払い込まれた金銭の
額(現物出資の場合は、「給付された財産の額」)の2分の1以下とされています
(同条第2項)。

【A2】○
自己株式を有償で処分しても、資本金の額は変化しません。当該株式を新株とし
て発行したときに、既にその対価を資本金(または資本準備金)として計上して
いるからです。
しかし、自己株式の処分の対価は、「自己株式」および「その他資本剰余金」の
項目に計上されますので(会社計算規則第24条第2項、第14条第2項第1号)、株
主資本の総額はやはり増加することになります。

【A3】×
自己株式の消却は、自己株式をゼロ円で処分したものと同視され、対価が支払わ
れていない以上、資本金の額が増減しないことはもちろん、株主資本の総額も変
化しません。(厳密には、【A2】で述べたとおり、「自己株式」および「その
他資本剰余金」の項目に増減がありますが、これらの増減額の合計がゼロになる
ため、株主資本の総額は変わりません。)

【A4】×
従来は、「資本と利益の峻別」の観点から、設問のような取扱いがされていまし
たが、平成21年4月施行の会社計算規則改正で、利益準備金やその他利益剰余金
といった「利益性科目」を減少させて、資本金の額を増加させることが認められ
ました(会社計算規則第25条第1項第2号)。
なお、資本剰余金と利益剰余金との間の組入れ行為は、依然、否定されています
(同規則第26条~29条)。改正後の会社計算規則においても、「資本剰余金と利
益剰余金の峻別」は維持されているといえます。

【A5】○
損失の処理として、その他利益剰余金の赤字をその他資本剰余金で穴埋めするこ
とは認められています(会社法第452条、会社計算規則第153条)。この場合は、
【A4】で述べた「資本剰余金と利益剰余金の峻別」の例外に当たります。そし
て、その他資本剰余金の額が、その他利益剰余金の赤字額を填補するのに不足す
るときは、資本金をその他資本剰余金に組入れることが、その前段階として必要
になるときがあります。これが、損失の処理のための減資です。
このように、損失の処理といっても、経理処理上は株主資本の部の内訳の変更に
過ぎないので、株主資本の総額は変化することはありません。



いかがでしたか。いずれも基礎的な問題でしたが、皆さんの理解の一助としてい
ただければ幸いです。



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  【2】企業と裁判員制度
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裁判員制度が施行され、平成21年8月3日に東京地方裁判所で初の裁判員裁判
が行われてから1年が経ちました。また、先月には芸能人初の裁判員裁判が行わ
れました。制度として課題も散見されますが、我々市民にとって、随分と身近に
感じられるようになったのではないでしょうか。

さて、裁判員裁判に参加する裁判員は、20歳以上の有権者の中からくじにより
無作為に選ばれることになっています。当然その中には企業に勤務されている方
も多いことでしょう。とすれば、どの企業にも従業員が裁判員に選任される可能
性があるわけです。

そこで今回は、従業員が裁判員に選任された企業にとって問題となりそうな点に
ついて検討してみたいと思います。



◆裁判員として活動中の補償内容は?
候補者・裁判員・補充裁判員に、日当や交通費が支給されます。
また、裁判員が裁判所と自宅の間の移動中に事故に遭った場合や公務中に怪我を
負った場合、国家公務員災害補償法の規定に従った補償を受けることができま
す。
これに対して、裁判所から会社に戻る途中での事故では国家公務員災害補償法の
適用はありません。この場合には、労災保険の通勤災害として補償されることに
なると考えられます。

◆従業員が有給休暇を利用して裁判員になった場合、裁判所からの日当の支給分
を賃金から差し引くことができるか?
裁判員や候補者への裁判所からの日当の性格は、損失補償であり、給与や報酬と
は考えられていないため、日当分を有給額からの減額は認められないと考えられ
ます。
ただ、この点については、各企業の就業規則や賃金規定等で規定をしておくのが
望ましいといえます。
	
◆従業員が無断で「公民権行使(※)」を実行した場合に無断欠勤ということで
処罰できるか?
従業員が会社の許可を得ずに「公民権行使」の名目で裁判所に出かけた場合、不
就労の理由が真に裁判員候補者または裁判員であるために出頭せざるを得なかっ
たということであれば、届出をしている限り、無断欠勤として不利益な取扱いを
することは出来ません(裁判員法100条)。
ただし、公民権の行使や年休の権利を行使する場合には、勤務先へ裁判員として
出頭することを届け出る義務があります。

※公民権の行使・・・労働基準法7条では、労働者に選挙権その他公民としての
権利の行使を補償しており、裁判員候補者または裁判員として裁判所に出頭する
ことは当然に公民権の行使になります。

◆公民権行使に必要な時間の賃金保障をする必要があるのか?
公民権行使の保障は労働基準法の適用される労働者に保障されており、正社員で
あるか、非正社員等の違いなく適用されます。
ただし、労働基準法では有給であることを求めてはいないため、無給で構わない
と考えられます。

◆従業員に精神的な損害が発生した場合は?
従業員が裁判員になったことで、精神的な疾病に罹患した場合、その従業員は、
国に対して国家公務員災害補償法に基づき補償を求めることが可能です。一方、
その従業員を雇用している会社については原則として認められません。仮に中小
企業の社長などの、社内で特殊な地位を持ち代替性のない者を失った場合には認
められる可能性があります。

以上、企業と裁判員制度の問題について検討してみました。



市民の司法に関する理解を深め、その信頼の向上のためにスタートした裁判員制
度。今後、従業員が選任された場合に備えて、企業側でもしっかり準備をしてお
きたいものですね。



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  【3】あいうえお順で覚える!!法律用語
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「こ」こうかいがいしゃ〔公開会社〕

公開会社とは、会社法の条文では、
1.その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式
会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社 または、
2.その発行する一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式
会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社
と定義されております。

つまり、その発行する株式の種類の全部または一部が、自由に譲渡できる場合に
は、その株式会社は、公開会社にあたります。

逆に言えば、定款上、すべての種類の株式について譲渡制限が付いている株式会
社のみが「公開会社ではない株式会社」(非公開会社)にあたります。

公開会社と非公開会社では、公開会社には取締役会と監査役を設置する義務があ
る等、さまざまな規律の違いがあります。



次回は「さ」から始まる用語を解説します!



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  【4】今月のホームページ注目記事
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10.09.17    法律扶助(司法書士費用の立替制度)が利用できます
10.09.13    公益法人全国申請状況が発表されました

https://hgo.jp/?mailmaga



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  【5】ラジオ「お金の悩み110番」レポート!
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関東・関西・九州地区で『お金の悩み110番』が放送中です!
毎週、様々なお金の悩みの解決方法をお届けしています!

■ラジオ日本(AM1422kHz)
■毎週日曜日:16:50~17:00

■KBS京都
■毎週金曜日:17:30~17:40

■KBC九州朝日放送
■毎週日曜日:17:45~17:55

当事務所所長の星野がコメンテーターとして出演し、遺言相続、借金問題中心に
法律問題を解説しています。お時間のある方は、お聞きいただければ幸いです。



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